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⚠️ 利用規約は「永遠にR-14まで」⚠️汐見秋には、構想段階から一貫して、
「永遠に『子どもを守る側』に立っていてほしい」という制作者の想いがありました。
汐見秋を利用してくださる方におかれましては、何卒本規約を遵守いただいた上で、一緒に想いを紡いでいけますよう、心より願っております。
(gris)
Q.1
Q.2
Q.3
2026/01/24 ----------
雨‥‥雨‥‥雨‥‥雨は銀座に新しくしみじみとふる、さくさくと、かたい林檎の香のごとく、舗石の上、雪の上。黒の山高帽、猟虎の毛皮、わかい紳士は濡れてゆく。蝙蝠傘の小さい老婦も濡れてゆく。‥‥黒の喪服と羽帽子。好いた娘の蛇目傘。しみじみとふる、さくさくと、雨は林檎の香のごとく。はだか柳に銀緑の冬の瓦斯点くしほらしさ、棚の硝子にふかぶかと白い毛物の春支度。肺病の子が肩掛の弱いためいき。波斯の絨氈、洋書の金字は時雨の霊、Henri De Regnier が曇り玉、息ふきかけてひえびえと雨は接吻のしのびあし、さても緑の、宝石の、時計、磁石のわびごころ、わかいロテイのものおもひ。絶えず顫へていそしめるお菊夫人の縫針の、人形ミシンのさざめごと。雪の青さに片肌ぬぎのたぼもつやめく髪の型、つんとすねたり、かもじ屋に紺は匂ひて新らしく。白いピエロの涙顔。熊とおもちやの長靴は児供ごころにあこがるるサンタクロスの贈り物。外はしとしと淡雪に沁みて悲しむ雨の糸。雨は林檎の香のごとくしみじみとふる、さくさくと、扉を透かしてふる雨はVerlaine の涙雨、赤いコツプに線を引くひとり顫へてふりかくる辛い胡椒に線を引く、されば声出す針の尖、蓄音機屋にチカチカと廻るかなしさ、ふる雨に酒屋の左和利、三勝もそつと立ちぎく忍び泣き。それもそうかえ淡雪の光るさみしさ、うす青さ、白いシヨウルを巻きつけて鳥も鳥屋に涙する。椅子も椅子屋にしよんぼりと白く寂しく涙する。猫もしよんぼり涙する。人こそ知らね、アカシヤの銀の木の芽も涙する。雨‥‥雨‥‥雨‥‥雨は林檎の香のごとく冬の銀座に、わがむねに、しみじみとふる、さくさくと。
(北原白秋「銀座の雨」)
雨‥‥雨‥‥雨‥‥雨は銀座に新しくしみじみとふる、さくさくと、かたい林檎の香のごとく、舗石の上、雪の上。黒の山高帽、猟虎の毛皮、わかい紳士は濡れてゆく。蝙蝠傘の小さい老婦も濡れてゆく。‥‥黒の喪服と羽帽子。好いた娘の蛇目傘。しみじみとふる、さくさくと、雨は林檎の香のごとく。はだか柳に銀緑の冬の瓦斯点くしほらしさ、棚の硝子にふかぶかと白い毛物の春支度。肺病の子が肩掛の弱いためいき。波斯の絨氈、洋書の金字は時雨の霊、Henri De Regnier が曇り玉、息ふきかけてひえびえと雨は接吻のしのびあし、さても緑の、宝石の、時計、磁石のわびごころ、わかいロテイのものおもひ。絶えず顫へていそしめるお菊夫人の縫針の、人形ミシンのさざめごと。雪の青さに片肌ぬぎのたぼもつやめく髪の型、つんとすねたり、かもじ屋に紺は匂ひて新らしく。白いピエロの涙顔。熊とおもちやの長靴は児供ごころにあこがるるサンタクロスの贈り物。外はしとしと淡雪に沁みて悲しむ雨の糸。雨は林檎の香のごとくしみじみとふる、さくさくと、扉を透かしてふる雨はVerlaine の涙雨、赤いコツプに線を引くひとり顫へてふりかくる辛い胡椒に線を引く、されば声出す針の尖、蓄音機屋にチカチカと廻るかなしさ、ふる雨に酒屋の左和利、三勝もそつと立ちぎく忍び泣き。それもそうかえ淡雪の光るさみしさ、うす青さ、白いシヨウルを巻きつけて鳥も鳥屋に涙する。椅子も椅子屋にしよんぼりと白く寂しく涙する。猫もしよんぼり涙する。人こそ知らね、アカシヤの銀の木の芽も涙する。雨‥‥雨‥‥雨‥‥雨は林檎の香のごとく冬の銀座に、わがむねに、しみじみとふる、さくさくと。
(北原白秋「銀座の雨」)
| 日にち | 内容 |
|---|---|
| 2026-01-24 | 公式Webサイトを鋭意製作中! |
| 2025-12-07 | 創造結社BALAMOLDPALが発足しました。Q陣累さんと一緒に、汐見秋も所属します。 |
| 2017-03-06 | 汐見秋のお誕生日です。 |